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学んだことは奪われない

この言葉を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。以前にテレビコマーシャルで放送されたことばです。

実はこれは「ユダヤの格言」から引用された言葉だったということをご存じでしょうか。

 ユダヤ人はノーベル賞受賞率の高さで有名です。世界人口の約0.25%しかいないユダヤ人ですが,ノーベル賞の受賞率は20%ほどになります。ある意味異常なほど高い受賞率には一定の理由が存在するようです。今月はこのユダヤ人の勉強に対する考え方をみてみましょう。

 まずは学習と勉強のそれぞれの言葉の定義についてみてみましょう。

学習
①学問・技術などをまなびならうこと。
②学校で系統的・計画的にまなぶこと。
③人間も含めて動物が,生後に経験を通じて知識や環境に適応する態度・行動などを身につけていくこと。不安や嫌悪など好ましくないものの体得も含まれる。

勉強
①学問や技芸などを学ぶこと。
②物事に精を出すこと。努力すること。
③経験を積むこと。
④商人が商品を値引きして安く売ること。(大辞泉より)

学習も勉強も日本語ではほぼ同じ意味になります。これを英語に置き換えてみますと,英語で“勉強する”という意味の語は,代表的には二つあります。learnとstudyです。learnは,先生の見本をお手本として見ながら,まねをすることを通して学ぶことです。studyは,自ら研究し,調査して体験的に学ぶことを意味します。高校を卒業するころまででlearnを終え,大学からは,studyが中心になることが理想ですね。
 よく保護者の方から「勉強の仕方がわからないので,教えてやってください」という言葉を聞きます。各教科において勉強の仕方はもちろんさまざまが,どんな教科であっても勉強をすることに対する心構えは共通していますので,ユダヤの格言の見習いたいところを取り上げてみました。

勉強について
・一日勉強しなければ,それを取り戻すのに二日かかる。
・恥ずかしがる人は,よい生徒にはなれない。人はどん欲に学ばなければならない。
・学んだことを復習するのは,覚えるためではない。何回も復習するうちに,新しい発見があるからだ。
・最も大切な事は,学習ではなく,実行である。
・出逢った人すべてから,何かを学べる人が最も賢い。
・人間は,20年かかって覚えたことを,2年で忘れることができる。

教育について
・子供は幼いときは厳しくしかり,大きくなったらしかるな。
・幼い子供は厳しくしつけるべきだが,子供が怯えるようなことがあってはならない。
・子供は,両親が家で話すことを街でしゃべる。
・子供は,両親の話し方をまねる。性格はその話し方で解る。
・自分のことだけ考えている人間は,自分である資格すらない。
・豊かな人とは自分の持っているもので,満足できる人のことである。
・人を賞賛できる人こそ,本当に誉れ高き人である。
・真に貧しい者としてとどまっているのは,知性のない者だけ。

書籍について
・本のない家は,魂を欠いた体のようなものだ。
・もし,本と服を汚したら,まず本から拭きなさい。
・もし生活が貧しくて物を売らなければならないとしたら,まず金,宝石,家,土地を売りなさい。最後まで売ってはいけないのは本である。
・旅の途中で故郷の町の人々が知らないような本に出会ったら,必ずその本を買い求め,故郷に持ち帰りなさい。

ユダヤ人は,過去の経験から教育の大切さに気づき,子供が生き延びる上で何が大切か,実践してきたようです。 
彼らは,長い迫害の経験からアタマの中身があれば,財産が奪われたとしても,どこでも生きていけることを悟ったのです。それだからこそ彼らは教育を大切にしてきました。そしてそれを伸ばすためには,楽しんでやることが有効であることを学んできたのです。

 その中でもとりわけ子どもたちに教えたことは「学ぶことは楽しいことだ」です。

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